※微妙にネタバレしてますのでご注意ください
映画『エゴイスト』オフィシャルサイト 2023年2/10公開 (egoist-movie.com)
観てきました~!原作も何も知らずの鑑賞でした。
自伝的小説が原作という時点でこれはもう絶対ハッピーじゃ終わらない作品だとは思っていましたが案の定でした。BL映画だと思って気軽に行くと後半で心がズタズタになります。
と言いつつも、全然何も起こっていない前半からもうずっと不穏。何もないのが不穏。鈴木亮平演じる斉藤も、宮沢氷魚演じる龍太も全然信じられない。お互いいつ豹変するのか私はずっとハラハラしていました。よかった、悲しい展開は待ってはいるんですが、お互いクズ野郎ではなかったので。
鈴木亮平って朝ドラとエルピスぐらいしか観られてないので詳しくないんですが、こう絶妙に胡散臭いんですよね。
エルピスの斉藤を引っ張っているだけかもしれないんだけど(エルピスは腹に一物ある色男だったので完全なるハマり役)、オスみのあるガタイのいい男が腰が低くて献身的で自分のことだけを愛してくれるっていうのがどうしても信じられなくて!(疑い深い)だってホモソーシャルのてっぺんにいそうなオーラあるじゃないですか亮平さん。
龍太くんちで貰ってきたおかずをじっと眺めるシーンでは(そのままゴミ箱に捨てるんじゃないだろうな!?)ととてもハラハラしたんですが、あれはきっと亡きお母さんを思い出して、なんだかすぐには食べられないと思って冷凍するシーンだったのかもしれませんね……。ごめんなさい猜疑に目が曇っていて……。
龍太くんもピュアだとは説明されていたんですが、あまりに翳りのないピュアさが逆に影を感じさせるというか。恋人には絶対に言えない秘密を持ってはいるんですが、それでも定点の不確かさを感じさせる危うい男子で(この子女郎蜘蛛じゃなかろうな)とこちらもずっと疑っていました。疑ってばかりの映画鑑賞でした……。演出がお見事だよ……。
そんなこんなで前半の幸せいちゃいちゃシーンも(これを……本当に……信じていいのか……)と全人類を憎む悲しいモンスターみたいな気持ちで観ていたので、もう一回観に行って安心して存分にニヤニヤしながら幸せいちゃいちゃタイムを楽しみたいです……。
だがしかし!おかわり鑑賞の問題は後半なんですよ。観ました後半?誰があんな展開になると予想できます!?前半はあと100回ぐらい観たいんですけど、後半がしんどいので2回目行くの二の足踏んでしまうんですよね……。
お金だけの関係ではないけれど、お金がなければ繋がっていられなかった浩輔さんと龍太くん。龍太くんの亡き後、お母さんともつながらずにはいられなかった浩輔さん。そんな浩輔さんをお母さんが許して受け入れたのが最後の「息子なのよ」だと思うともう滂沱の涙です……。
パンフレットにありましたが、浩輔さんが一層愛したのは龍太くんではなくお母さんの方なのかも知れないですけど、その境地を包み隠さず描いて映像化する制作者の気迫にしてやられました。