【小説】長野まゆみ「綿柎開(わたのはなしらべひらく)」


西村賢太他『掌篇歳時記 秋冬』講談社

二十四節気七十二候の季節を表す言葉をテーマにしたアンソロジー。
長野先生が参加するしかない美しいアンソロをもう本当ありがとうございます……。

元々相互さんにこの短編はヤバいと聞いていたんですが、話に違わぬヤバさ全開でした……。
レモンタルトが好きな人は絶対好きだよ……。

主人公の木綿(ゆう)は、会社の上司の原島が気になっているけれど気になっていない振りをする長野作品お馴染みの意地っ張り男子で、そんな木綿を意に介さず構う原島……もう好き……。

またこの原島もさりげなく遊び相手には困らないモテタイプだっていうことが匂わされて最高なんですよ……。

姉からは「あれは、売約済み?」と横取り宣言をされたり、それにムキになってただの同僚!と否定したりする木綿くんの可愛いこと……。

最後木綿のおばあちゃんから「あの子(姉)をひきとってくれない?」と水を向けられた原島がなんて答えたのか、妄想の余地がありすぎて大変困ります……本当最高でした……できればあと100ページぐらい読みたいです……!!